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時貞の時しらず

俺とオチンチン。俺がアイツでアイツが俺で

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だからベルベットの空の下 歌う声は聞こえてる

溺れている人間を見た事が無い日本人っていうのは意外に少ないと思うんだ。
テレビで、ネットで、電源を入れればいつだって見れるような現実感の無い悲劇、
何も無いアスファルトの上で溺れている人間を見たら頼む。
気軽に声をかけてやってくれ。俺だ。



東京に行ってきた。灰色がキレイな空の下、池袋で酒を飲み、
白いタンクトップに着替え、髪は金色で、間延びした声で人を呼び、
隣にいる人間をGボーイズにならないか、と誘う、そんな旅だ。


けど、今からする話はその旅の話じゃない、その後の話なんだ。

ドラマの最終回のあと、主人公がどうなったか気になった事、
あんた達にもあるだろう?


今回は、旅を終えた俺の自責と後悔と奇跡の話なんだ。
もし時間があったら是非俺の家に来てほしい。
何週もまわるクラシックをBGMに、
俺が遭遇したビッグトラブルを臨場感たっぷりに聞かせてあげるよ。



東京の色んなところでしこたま飲んで翌朝起きた俺の頭に浮かんだ言葉は
「仕事行かなきゃ」だった。資本主義社会の下で生きていく為には、
いつだって自分勝手じゃいられないのさ。


しぶしぶ新幹線に乗って関西の自宅に戻り、
ひたすら熱いお湯を浴び続けたけど俺の体から
アルコールが完全には出て行ってくれなかった。
誰も悪くない、ただそこにある二日酔い。
諦めた俺は、出来の悪いオーケストラのシンバルみたいに響く頭を抑えて職場に行く。


言い忘れたが俺はとある飲食店で店長をしてるんだ。
職場に行くと見慣れた顔が「また二日酔いか」と
呆れ半分諦め半分で俺を出迎える。
さすがに大人になった俺は、気持ちだけは切り替えて
仕事に臨んで二時間ほどたった。そんな時だ。


客席の方から聞いた事も無いほど大きな怒声が響く。
急いでかけつけると、中年男性二人がなんと殴り合いをしてるんだ。
周りには主婦やら女子高生がウヨウヨしてるってのに、
なんてこった。ハードラックとダンスっちまった。


うんざりしながら俺は服と髪を掴み合ってたいい大人の間に入り、懇願する。
「おそれいります。他のお客様のご迷惑となりますので。」

二人はますますヒートアップだ。
「わかっとるわボケェ!」と怒鳴り散らしながらパリパリとグラスを割り、
テーブルをひっくり返す。

お前らなんかにかしこまれねぇよ。なんなんだよ…


「すみませんすみません!とにかくよしましょう!本当アレなんで!」


悪くもないのに謝っちまう日本人て本当情けないよな。
けど他に言う事ないんだよ。


そしたら二人のうちの大きな方が
「なんもないやん!なんもしてへんやん!」と言いながら
俺の顔面にエルボーを食らわせた挙句、俺の左手を壁に勢いよくたたきつけた。


いや、お前の『何かする』っていう概念範囲狭すぎるよ…
辞書買ってきてやろうかmj…


なんて思っても二人は止まらない。
よくよく見ると喧嘩というより一人が圧倒的にもう一人をボコボコにしており、
やられている方は威勢だけで立ち向かっていってはまた投げられたり殴られたり。


(実力差ありすぎwww)と思いながら、俺もまた勇敢に二人の間に入っていった。



バイトに警察を呼ばせてから8分すると、
ようやく警察がやってきた。
この時点で店の客は全員店外へと逃げており、後は
俺達店の人間と獣二人だけになった。


事情聴取が終わり、店の営業を再開した時、
残ったのは割れた皿とグラス、それからちゃんと動かなくなった俺の左手だった。
人差し指が曲がらない。


翌日病院に行った俺に気だるそうな医者が言った言葉は
「あー、折れちゃないけど、あんま動かせないねしばらくは。
包帯でグルグル固定して安静にしておきなよ。」



どいつもこいつも無理な事ばかり俺に要求するんだ。
飲食店の店長が包帯なんて巻けるわけがないだろうが…!


すっかり落ち込んだ俺は店に帰ってもらった薬を飲み、
2時間程近くにある自分の家に休もうと思って歩き出したその時だ。


リュー



何の音かわからないって?こいつは俺がうんこを漏らした音なんだ。
どうした?笑えよ。ここは笑うとこだぜ?なぁオイ。


25歳なんだ。TPOってのは充分わきまえてる。
突発的な事件に対する対処法を今からあんた達に教えたげるよ。



①認識する。


人間誰だって認めたくない事はあるもんさ。
貧富の差、どうにもならない容姿、うんこを漏らした事。

でも考えてみなよ。
デタラメばかりだって、耳を塞いでたら、なんにも聞こえなくなっちゃうだろ?
そういう事だよ。

俺は至極冷静に頭の中のメモ用紙に三回、同じ事を書き綴ったね。


「荒木時貞25歳は、今、うんこを漏らしました。」
「荒木時貞25歳は、今、うんこを漏らしました。」
「荒木時貞25歳は、今、うんこを漏らしました。」



どうだい?グっと落ち着いてきただろう?

②姿勢


小学校の時なんかはさ、うんこを漏らしたやつは大抵この世の終わりみたいな顔を
しちまったり、ひどい奴は泣き出しちまったりしてたもんだよな。
けど俺は違うぜ。大人になったぜ。



胸を張るんだ…っ!


うんこを漏らした事…
その事自体は恥ずかしい…消え去りたい…消滅したいっ…!
けど俺の、俺達の人生はこれからも続くんだ。だから、


うんこ漏らした時ほど・・上を向いて…胸を張れ!そして・・・笑うんだ



辛いときに辛い顔をしちゃうのは二流の証明だって、俺は思うんだ。
一流になりたきゃ…いつだって笑っていなくっちゃ、いけねぇよな…




③告白


恥ずかしい事ってのは隠せば隠すほどに恥ずかしくなっちまうもんなんだ。
だから、俺は、職場に戻って、バイトの女子大生にこう言った。

「ごめん!本当ごめん!こんな店長でマジメンゴって感じなんだけど!
今俺うんこ漏らしたから一旦帰るわ!また20分後に!」



世界は最後に俺に優しかった。
俺の店のアルバイトは仕事中だってのに大爆笑してたよ。
ごめんな。


そうして家に帰る途中、空を仰いで見ると、
今にも落ちてきそうなキレイな青空だった。


世界は愛に満ちてるって、この時だけは、そう思ったんだよ。



                     fin
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とっきー何ですぐうんこ漏らしてしまうん?
2011/07/29(Fri) 07:07:13 | URL | うえぽん [ Edit]
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